漢方って?

 西洋医学に対して、東洋医学といいますが、東洋医学の中で日本流のものが漢方です。

 漢方薬はもともと中国から伝わったものですが、日本の気候・風土・生活環境・食生活と、日本人の体質に適した形で受け継がれたものです。

 こころの持ち方、生活の仕方など日ごろの養生全体を漢方と呼びます。その漢方の予防や治療に用いられる薬を漢方薬といいます。

 人はこころと体が一体(心身一如)です。こころが一人一人違うように、体も一人一人違います。漢方はその一人一人に対応する個の医学です。そして、こころがコロコロかわるように、さまざまな今の症状に対応していくのが伝統的な日本の漢方薬です。


<西洋医学と東洋医学はどう違うの?>

西洋医学は、検査などの結果病名がつき治療を始めます。同じ症状には同じ治療方法であることがおおいです。即効性はあります。

東洋医学は、全体のバランスを整えます。症状が同じでも違う処方を用いたり、違う症状でも同じ処方を使うことがあります。

<東洋医学の考え方>

人と自然との深い関係を重視しています。人間を自然界の一部と考えます。自然環境の変化、季節の変化、一日の昼夜の変化の影響を受けています。


漢方の基本的な考え方は、人がもっている病気を治す力を高めることです。


病名で診断するだけでなく、体からの不調のサインから未病を防ぐことが得意です。

<気・血・水>

東洋医学では、私たちの身体は気・血・水の3つの要素から構成されており、そのバランス、巡りが悪くなったとき、不調をきたすと考えられています。


「気」とは目に見えない生命エネルギーで、新陳代謝や元気のエネルギー。やるき、気力などというように、体全体を動かすもとをなる力です。


「血」とは、血液、栄養、ホルモン、などをまとめたもので、現代医学でいう血液よりももっとも広い意味合いを持っています。


「水」とは、体中の細胞や組織を冷やし、うるおいを与える水分の総称です。


気・血・水の組み合わせで、病には7種類あります。どこの部分の偏りが多いかで、処方を考えていきます。